がん治療における温熱療法
がん治療における温熱療法(ハイパーサーミア)とは、「がん細胞は正常細胞に比べると熱に弱い」という性質を利用した治療法ですが、最近では化学療法や放射線治療、免疫細胞療法の効果を増強させる効果もあることが分かっています。
温熱療法は目的とする温度により極度・中等度・軽度に分類することができます。身体を温めるといっても身体の中で起こる反応には様々な違いがあり、ビオセラクリニックでは中等度温熱療法を推奨しています。局所温熱療法と全身温熱療法の2つの治療法から患者様の状態に適した温熱療法を選択し、より効果的な治療を提供することを目指しています。
※ビオセラクリニックは日本ハイパーサーミア学会認定施設です。
中等度温熱療法とは
がん治療の目的で身体を温めるといっても、温める温度によってその目的は異なります。
上昇させる温度により簡単に3種類に分類され、それぞれ目的、方法が異なります。
中等度温熱療法 Fever Range Hyperthemia(FRH)
がん治療用の特殊な機器を用いて行う治療法です。
ほとんど大きな副作用の報告はなく、苦痛をあまり伴わない安全な治療です。
この温度ではがん組織(細胞)自体に熱ストレスタンパク(HSP)を介する変化が起き、免疫細胞による攻撃を受けやすくなります(免疫細胞療法との相乗効果)。また、化学療法や放射線治療の効果、本来そなわっている免疫を増強することも期待できます(詳細はこちら)。
極度温熱療法や軽度温熱療法についてさらに知りたい方はこちら。
中等度温熱療法を行う目的
温熱療法はどの温度で治療を行うか、によって、軽度、中等度、極度に分類することができますが、ビオセラクリニックではがん治療として利用でき、なおかつ安全に治療ができることを目的に、中等度温熱療法:Fever Range Hyperthermia(FRH)を行っています。
- 免疫細胞療法の効果増強を目指します
- 中等度温熱療法を行うと、免疫細胞による攻撃を受けやすくなり、免疫細胞療法の効果を増強することができます。
- 単独治療だけでなく、他治療の効果増強を目指します
- 本来そなわっている免疫を増強するだけでなく、他の医療機関での化学療法や放射線治療の効果増強を狙います。
- QOL(生活の質)を高めることが期待できます
- がんによる疼痛の緩和、化学療法や放射線治療による副作用の軽減、食欲増進などが期待できます。