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ビオセラクリニック| 免疫細胞療法の治療方法

免疫細胞療法の単独治療

活性化リンパ球療法が単独で行われる場合(通常の活性化リンパ球療法)

治療行程

治療用には通常の病院で行われるような採血を30㏄程度行います(その他に血液検査を行う場合もあります)。

採血された血液は当クリニックのセルプロセッシングセンター(CPC)に運ばれ、ここでリンパ球が分離され、培養しながら活性化されます。約2週間後に100㏄の点滴として投与します。

治療スケジュール

採血して投与するまでの期間は基本的に2週間ですが、活性化したリンパ球投与後の体内の生存期間は10日間程度といわれています。

(1)スタンダードスケジュール
採血の約2週間後に投与する場合に、次の治療用に採血を同時に行います。
投与された活性化リンパ球がほぼ体内から消失して、間もなく新たな活性化リンパ球が体内に再投与され、活性化されたリンパ球が比較的常時体内に存在していることになります。
スタンダードスケジュール
(2)ショートスケジュール
がん治療として積極的に行いたい場合や著しく免疫が低下して、ある程度の状態まで早く回復したい場合は、1週間ごとの活性化リンパ球投与を行います。
ただし、培養期間は2週間ですので、最初、採血だけの来院が2回必要になります。その後は採血と投与を同一日に行うことにより継続することができます。
図:ショートスケジュール
(3)ロングスケジュール
ある程度状態が安定している場合、継続的に治療を考えている場合などに行います。
この場合は1回分の治療が2週間間隔であるだけで、その治療間隔は任意に決められます(遠方などで採血のためだけに来院するのが大変な場合は前もって凍結保存して、投与時のみ来院する方法もあります)。
図:ロングスケジュール
維持療法

免疫細胞療法に治療の制限はありません。この治療をどこまで続けるのかといった決まりもないため、ある目安を持って治療の維持を考えていきます。
基本的な考え方として1クールまたは2クール(4回から8回)の治療を行い、その状況を話し合い、継続するか、終了するかを決めます。継続する場合でもその治療ペースや頻度を変えることは可能です。また、一度終了してもいつでも再開することは可能です。

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樹状細胞療法と活性化リンパ球療法の併用治療

治療行程
成分採血(アフェレーシス:Leukapheresis)
▲成分採血器

樹状細胞は白血球中の単球という分類の細胞から特殊な培養をすることで、樹状細胞に分化誘導します。単球は白血球中には少なく、また治療にはある程度の数の樹状細胞数が必要であることは既に私たちの研究で示されているため、大量の血液が必要になります。
そこで、安全に必要な樹状細胞を採取するために、成分採血(アフェレーシス:Leukapheresis )を行います。

樹状細胞は人工抗原ペプチドや腫瘍溶解液等で情報を覚えさせたのちに、0.5㏄から1㏄程度にして、足の付け根(もしくは腋窩)に皮内注射します。 また同時に採取し培養する活性化リンパ球は既に細胞数が多いために、2週間の培養を必要とせず、基本的には樹状細胞療法の投与と同日の1週間後に点滴で投与します。活性化リンパ球については上記をご参照ください。

治療スケジュール

樹状細胞療法により体内に与えられる情報はもともと弱い情報であり、簡単に体内にワクチンとしての誘導はできません。可能な限り短期間でこのワクチン反応を誘導するために、毎週の治療を計画します。

採血は毎回行い、1週間後に樹状細胞療法並びに活性化リンパ球療法を行います。これまで多くの経験を積み重ねた結果、通常では8回以内にワクチンとしての反応が出てきます(ワクチンの反応は、ツベルクリン反応に類似しています)。

ただし、何回で反応が陽性化するかは、患者様の状態等により異なります。しっかりとした陽性化が確認された場合は、予約された以後の治療計画はキャンセルにして維持療法に移行します。

維持療法

樹状細胞療法によるワクチンが陽性化された後は、頻繁に継続する必要はなくなりますが、放置すればせっかく体内に誘導された新たな情報に対して攻撃するリンパ球が消失してしまいます。

そこで、定期的な強制刺激としての樹状細胞療法の維持療法がすすめられます。通常は2~3ヶ月に1回だけ行い、しっかりとした陽性反応が見られていれば、その間隔を徐々に伸ばすことが可能です。

維持療法としての樹状細胞療法は体内に教育を受けた攻撃するリンパ球の存在を維持することを主な目的としています。したがって、がん治療として積極的に免疫細胞療法を行う場合は、活性化リンパ球療法によるがん細胞の攻撃だけで対応します。

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凍結保存で行う活性化リンパ球療法(F-CAT療法)

治療行程

通常の活性化リンパ球療法では約30㏄の採血を1回の治療ごとに行いますが、複数回分の治療用採血を事前に行い凍結することも可能です。 そのために成分採血(アフェレーシス:Leukapheresis)を行い安全に多くのリンパ球を採取します。

基本的に8回から12回分程度のCAT療法ができるリンパ球を採取し凍結保存しますので、CAT療法の投与日を計画した場合、その日からさかのぼって2週間前より1回分の凍結細胞を解凍し、培養を開始します。 投与を行う場合は通常のCATと同様に100㏄の点滴として投与します。

F-CAT療法をどういう患者様に行うのか?

凍結保存したCAT療法(F-CAT療法)は以下のような患者様に利用されます。

  • これから強力な化学療法を行うために、免疫が下がる前に元気なリンパ球を保存し、化学療法時に免疫が下がっているときに投与を希望する場合
  • 樹状細胞療法により既に体内に新たなリンパ球が誘導されたのち、一番質のいい状態のリンパ球を保存して、樹状細胞療法の維持療法の間に、がん治療として小分けに活性化リンパ球療法を行う場合
  • 遠距離や通院の都合を考え、通院頻度をできるだけ少なくしたい場合

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免疫細胞療法と他治療との併用について

温熱療法との併用

温熱療法はがん細胞に働きかけ、免疫細胞による認識や攻撃される効率を上げられることが予想されます。そこで、免疫細胞療法と温熱療法を併用することが勧められます。
温熱療法による免疫細胞療法との相乗効果は温熱療法後に現れます。ビオセラクリニックで温熱療法と免疫細胞療法を併用する場合は同一日に温熱療法終了後、免疫細胞療法が行われるように計画します。

化学療法との併用

化学療法はがんの増殖抑制剤ですので、同時に免疫細胞によるがん細胞の排除効率を上げる免疫細胞療法は治療効果の増強につながり、また免疫細胞療法により副作用の軽減が生じることも多く経験します。

化学療法が有効な期間であれば、化学療法との併用はもっとも望まれる方法です。
免疫細胞療法と化学療法の併用効果に関してはこちらをご参照ください。

ただし、行っている化学療法の内容により免疫細胞療法の治療スケジュールに注意を要する場合がありますので、詳しくは診療時にお尋ねください。

放射線治療との併用

放射線治療と免疫細胞療法との併用は可能です。
ただし、放射線治療は免疫細胞の働きや増殖能力に著しく影響を与える場合があります。
可能であれば放射線治療が始まる前に事前に採血を行っておくほうがいい場合もあります。

その他の治療との併用

免疫細胞療法は基本的には本来自分で持っている力を増強させる方法であるため、他治療との併用が禁じられるケースは基本的にありません。
ただし、併用している治療との効果を増強する、もしくは損なわないために工夫が必要な場合もあり得ると思います。
治療内容にかかわらず、また、治療前、治療中にかかわらず他治療(代替医療を含む)を行われる場合は是非ご相談ください。

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